俺は恋愛に対してトラウマが多い。
振られた経験よりも、音信不通系が多いからだ。
残念ながら、その経験は出会った異性に対して「この人は最後まで連絡を取ってきっちりと別れを告げてくれるだろうか」と疑問を投げかけてくれる。
さて、今回は、そんな疑問を一気に通り越して、バカみたいに先走った一人の男の話である。注意したいのはこれが現在進行形であり、さらに残念度が増すことになるのかもしれない。
それでは本編である。
あるSNSでけっこう適当に返信をおくり、特定の人以外にも適当に送る毎日が続いていた。そんな中、突然DMがあり、返信で優しい言葉がけをしてくれるということで話をしたいということがあった。
もちろん、快諾する。ネットではこういう接点を保つことはひとつのモチベにもなるのである。
これがことの始まりだった。
はじめは彼はどうせ一瞬どうせ一瞬という気持ちをもっているのだった。ここで彼がどうしてこんなことを考えているかという経緯についてだが、それは上記にある振出から察していただきたい。
その一瞬というには長い時間はなし、けっこうあうことがわかった。一時して、実は期間限定でイベントがあるということで、最終ラップくらいの情態だったのだ。早速案内を頼み彼が一路東京に向かうと、カメラなどを通してみていた女性の姿は想像以上にきれいで、その様子はかわいらしかった。そして、話までしっかりとあってしまう。
彼は直感でおもってしまったのだ。
運命...
ドラマや小説などでしかお目にかかれない展開のものだったが、感じてしまったのだった。彼女はというと「好き」という言葉を使っていてくれるものの、もっと「好き」な人は大勢いる。その中でも皮膚をふれあってもいいと思ってくれている中に入っているとまで教えてくれていた。二回目はお泊りに来てくれる番だった。彼女も彼も抱擁を求めていた。それが彼にとってはある意味でスイッチだったのだろう。
生理的に反応をしてしまっていた。そして、事を起こした。
それは彼女にとってもわだかまりとなった。帰って一日目で別の人と触れ合った。そして、彼に報告をし、「やっぱりあのときのことも後悔している」といったのだった。そして、「今日はいっぱい否定したのに、それでもキスをされたのだ」という。その日はそれ以上話をするのを否定されてしまった。
これ以上言い出せない。
そして、彼女は夜遅く家に帰り、机で寝息を立てて寝てしまった。「やっぱり嫌いになってもらったほうがよかったのかなぁ」と言い残して。
その日の天気は妙な涼しさの空気をたたえた雲がぶあつく広がっていて、その雲から雨がポツリポツリとふり、しとしとと途絶えることなく振っていたのだった。